ジーコちゃん物語

12年前 考えられない姿で現れました。ジーコちゃんは魚の開きのような状態で入院したのです。両腕の肩甲骨が剥がれてノシイカ状態。皮膚は両肩大きく裂け大量の出血です。もちろん、まったく歩けません。交通事故です。

意識は無く、かろうじて息をしているのです。血圧はほとんど無く心音もやっと聞こえる。輸液(点滴)を入れる為のシリコンの針(留置針)が入りません。
血圧が下がり過ぎているからです。頚静脈を使うしかない。首の毛を刈り皮膚を切って頚静脈に針を入れる。
緊急急速輸液 昇圧剤 強心剤 抗ショック剤 抗生剤・・・
すごい!心臓がはっきりと動き出す。呼吸も安定してきたぞ。舌の色もピンク色になってきた。冷たかった身体があたたかい。でも、歩けるようになるのか・・・どうか・・・。

7日間の治療のすえ安定状態。
7日間、ノシイカ状態、寝たきりです。
そんな中で、首の下に枕を置きながら食事を食べ始めたのです。必死に食べ始めました。絶対生き返ってやるとモリモリと食べていきます。

4日間モリモリ食べてくれた。よし!明日は手術だ。
また元気に走れるようにするぞ。両前足が開いてしまったのは、両肩の肩甲骨が剥がれたからです。人間では、肩甲骨は鎖骨と関節でつながっています。
犬は鎖骨が無くて、肩甲骨は筋肉に直接へばりついています。
今日は手術だ。お腹が空いているのに食事をあげられなくてゴメンよ。
その代わり歩けるようになろう!
麻酔・・毛刈り・・消毒・・手術開始・・元の位置に肩甲骨を縫合しました。
手術は成功!よくがんばった。でも、最初の一歩は勇気が必要なのです。
その勇気を出すタイミングを逃すと筋肉が衰え過ぎてしまい2度と歩けないのです。

術後4日目の朝です。
すごい復活、歩きました。最初の一歩の勇気を振り絞ったね。
今も 元気 軽やかに「ジーコ」は走っています